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2026.02.27

「現在の全国の学生の学費値上げ反対の取組」
東京大学所属学生 金澤伶さん

東京大学所属学生 金澤伶さん

 「すべての人が学べる社会へ 高等教育費負担軽減プロジェクト」は、2月17日、「高等教育費負担軽減Webセミナー」を開催しました。第5回となる今回は、東京大学所属学生の金澤伶さんを講師に迎え、「現在の全国の学生による学費値上げ反対の取組」をテーマにお話しいただきました。
 金澤さんは、東京大学の学費値上げ発表直後に「学費値上げ反対緊急アクション」を立ち上げ、全国の学生・院生との連携強化やロビイング、署名活動、出版活動などを通じて世論喚起に取り組んできました。
 講演ではまず、近年の学費値上げの動きとその問題点について説明がありました。2020年代に入り、国立大学を中心に学費値上げの検討・実施が相次ぐ中で、中教審や大学執行部からは「公平な競争環境のため」「高度な教育研究の維持のため」といった理由が示され、あたかも制度上やむを得ないものとして語られてきました。しかし金澤さんは、学費値上げは国による運営費交付金の削減や「選択と集中」といった「政策の帰結」であり、国→大学→学生へと負担が押し付けられてきた構造に問題があると指摘しました。
 また、値上げ検討の過程が十分に公開されず、当事者である学生の意見が議論から排除されている点も大きな課題であると訴えました。議論の過程から学生が排除された結果、学費や生活費を工面するためにアルバイト時間を増やし、学業や研究に十分な時間を割けない学生が生まれていると語りました。
 最後に、学ぶことは憲法で保障された権利であり、社会の知的基盤を強化するという意味でも、高等教育の無償化は政府の責務として段階的に実現されるべきであると訴え、講演を締めくくりました。