「すべての人が学べる社会へ 高等教育費負担軽減プロジェクト」は6月30日、参議院議員会館103会議室において、立憲民主党に対し、「有利子貸与型奨学金の金利上昇に伴う返済負担の軽減を求める要請」を行いました。立憲民主党からは、岸真紀子参議院議員、高木まり参議院議員、福士珠美参議院議員、牧山ひろえ参議院議員、古賀之士参議院議員、広田一参議院議員、小島とも子参議院議員、塩村あやか参議院議員、吉田忠智参議院議員、鬼木誠参議院議員にご出席いただきました。

プロジェクトを代表して大内裕和さん(武蔵大学教授)が、近年の急激な金利上昇により有利子奨学金の返済負担が当初の想定を大きく超えて増大している現状を説明しました。奨学金の利率は貸与終了時(卒業時)に確定する仕組みのため、借り入れを始めた時点では予測できず、金利が数倍に膨らんだ結果、当初より100万円以上も返済額が増えるケースも出ています。こうした事態は返済困難につながるだけでなく、結婚などの将来設計をためらわせる要因にもなっていると訴えました。

立憲民主党の岸真紀子企業・団体交流委員長からは、これまでも高等教育費の負担軽減について、プロジェクトから度々要請を受けてきた経緯を踏まえつつ、有利子奨学金を背負って社会に出る若者がさらに重い負担を抱えることへの強い懸念が示され、党としてしっかり対応を検討していく考えが示されました。
続いて事務局から、返還期限猶予制度の所得基準の引き上げをはじめ、利率見直し方式の凍結、上昇キャップの導入など、具体的な対応策について、法的根拠も含めて説明しました。
その後の意見交換では、給付型奨学金・無利子貸与型奨学金と有利子貸与型奨学金の利用者の人数比較をめぐる議論の中で、大内さんから「給付型と無利子貸与型を合わせると81万人、有利子貸与型は62万人で、今や前者が多数。金利上昇のしわ寄せは有利子貸与型の62万人だけに集中しており、格差が広がっている」との指摘がありました。また、出席議員からは、「返済を考えると結婚など将来の見通しが立てられない」という現場の声や、「返さなければならない奨学金はそもそも奨学金ではない」との認識が示されました。
奨学金問題の根本には文教予算の不足があるとの声もあがる中、引き続き緊急的な負担軽減措置の実現に向けて連携して取り組むことを確認し、要請を終えました。
プロジェクトとしての要請は以下の3点です。
(1)利率の据え置きや返済額の軽減・猶予など緊急的な負担軽減措置の速やかな実施
(2)税による利子補給制度の導入
(3)長期的には無利子・給付型奨学金を中心とした制度への移行