「すべての人が学べる社会へ 高等教育費負担軽減プロジェクト」(事務局:中央労福協)は7月13日(月)、衆議院第二議員会館内にて国民民主党に対し、有利子貸与型奨学金の金利上昇に伴う返済負担軽減に関する要請活動を行いました。
国民民主党からは西岡義高衆議院議員(党政務調査会副会長)・河井昭成衆議院議員(党政務調査会社副会長)、プロジェクトからは大内裕和氏(奨学金問題対策全国会議共同代表/武蔵大学教授)・渡辺由美子氏(認定NPO法人 キッズドア理事長)が出席しました。

要請では冒頭、「有利子貸与型奨学金の金利上昇に伴う返済負担軽減に関する要請書」を手交し、プロジェクトメンバーの大内氏より要請趣旨が伝えられました。大内氏は、「奨学金は借りる時点では返済利率が決まっておらず、卒業時になって初めて返済額が確定する仕組みとなっているため、将来の生活設計が立てづらい制度となっている。現在返済中の方々への緊急的な支援とともに、長期的な制度改善をお願いしたい」と訴えました。

続いて、渡辺氏より子どもの貧困支援の現場における実態について報告がなされました。渡辺氏は「これまでは金利が極めて低かったため、有利子奨学金も進学を後押しする制度として勧めることができた。しかし現在は利率が大きく上昇し、借り方によっては利子負担だけで100万円近く返済額が増えるケースもある」と説明しました。また、「金利上昇による返済への不安感から、大学進学を諦め、進路変更を考える家庭も出てきている。本来は給付型奨学金の拡充が理想だが、貸与型であっても利子を心配することなく安心して学びに挑戦できる環境を整えてほしい」と述べました。

要請に対し、西岡議員からは、「奨学金は本来、無利子であるべきだと考えている。党としても有利子から無利子への転換を掲げており、しっかり取り組んでいきたい」との考えが示されました。また、「借りる時点で将来の返済額が分からない現行制度は改善すべきであり、制度のあり方について検討していきたい」との発言がありました。
河井議員からは、要請書で提案された利率上昇の上限設定や在学期間中の平均金利を基準に利率を固定する方式は、金利の下降局面では学生に不利に働く可能性があるのではないかとの質問がありました。これに対し事務局からは、「本来はすべて無利子化することが理想だが、仮に有利子制度を維持するのであれば、借りる時点で返済利率の見通しが立つ制度とすることが重要であり、利用者への説明責任の観点からも提案している」と説明しました。
さらに意見交換では、奨学金制度の改善や高等教育費負担軽減のための財源確保に向けた文教科学予算の充実、国民民主党が政策として掲げる教育国債、民間企業による奨学金返済支援などについて幅広く意見が交わされました。最後に、プロジェクトからは「奨学金の返済は結婚や子育てなど若者の将来設計にも影響を与えており、少子化対策の観点からも、学びたい人が経済的事情によって進学や将来を諦めることのないよう、引き続き制度の充実をお願いしたい」と訴え、要請を終えました。
プロジェクトとしての要請は以下の3点です。
(1)利率の据え置きや返済額の軽減・猶予など緊急的な負担軽減措置の速やかな実施
(2)税による利子補給制度の導入
(3)長期的には無利子・給付型奨学金を中心とした制度への移行